医療保険の保障内容って本当に悩みますよね。
とくに医療保険に関しては適用の範囲が広く、保険会社によって様々な特約がありますので悩み始めるとキリがありません。
ですが「この病気になるかもしれない…」「コレも心配だなぁ…」なんて漠然とした不安に備えようとするとドツボにはまってしまいます。
ですから医療保険を選ぶ前に「保険で何に備えるべきか?」を明確にすることが重要です。
「なんとなく不安だから…」という感情だけで保険を選択してしまうと保障内容が過剰になりやすく無駄な保険料を毎月支払うことになってしまいます。
ですからまずは保険を選ぶ前にしっかりとおさえておくべき大前提をまとめました。
このポイントを知った上で保険選びを始めれば無駄な保険料を払わずにすみますし、保険選びをシンプルに考えることができるようになります。
保険選びの大前提

保険を選ぶ前に知っておくべき大前提を3つまとめました。
この大前提をおさえておくことで保険選びで失敗しにくくなります。
保険選びの大前提
- 病気になっても意外とお金はかからない
- 保険のコストとリターンを考える
- 保険は保険、貯蓄は貯蓄
それぞれ詳しく解説していきます。
病気になっても意外とお金はかからない
日本には「国民皆保険制度(こくみんかいほけんせいど)」がありますから全ての人がすでに手厚い「公的医療保険」に加入しているんですね。

そんなの加入した覚えはないけどなぁ…
こう思われる方もおられるかと思いますが公的医療保険は強制加入ですからみなさん必ず加入しています。
この日本の公的医療保険は世界的に見てもとても手厚く、医療費で破綻することがないように何重にもセーフティーネットが張られています。
病院の窓口で保険証を提示すると医療費負担が3割で済むのもこの公的医療保険のおかげです。
あまりにも自然に存在しているものですから加入している自覚が無いという方も多いのではないでしょうか?
この公的医療保険でとても心強い保障が「高額療養費制度」です。
高額療養費制度とは1ヶ月に負担する医療費の上限が定められており、上限を越えた分は公的医療保険から支払われますからご自身で負担する必要がありません。
医療費の上限は年収や年齢で変わりますが、ほとんどの方が1ヶ月の医療費負担は約9万円ほどとなります。
もしも手術などで1ヶ月の医療費が100万円かかってしまった場合でもご自身で負担する金額は約9万円で済むということですね。
入院や手術をすると莫大な金額を請求されると思われている方も多いかと思いますが、実際には意外とお金はかかりません。
ましてや医療費で破綻してしまうなんてことはほとんど無いと言えますよね。
ですから医療保険を選ぶ際は「公的医療保険」を使った上で足りない部分をカバーする内容で保険を選びましょう。
公的医療保険は知らないと損をしてしまう可能性もありますので保障内容を把握しておくのがおすすめですよ。
保険のコストとリターンを考える
あたりまえの事ではありますが医療保険に入ると入院や手術をした場合に保険金が支払われるだけです。
医療保険に加入していた事で病気の治りが早くなるなんていうことはありえませんよね。
ですから「なんとなく不安だから…」という感情を優先させて医療保険の保障内容や特約を決めるのは大きな間違いです。
保険の保障内容や特約を選ぶ際はこの先支払う保険料(コスト)と受け取るであろう保険金(リターン)を比較することが重要です。
例えば40歳男性が医療保険に通院支援特約を付帯する場合を考えてみましょう。
条件は毎月の保険料は490円で退院した際に5万円の一時金が受け取れるという終身型の特約です。
まず特約のコスト(保険料)は毎月490円ですから年間の支払いは5880円、リターン(保険金)は入院後に退院した場合の5万円となります。
この場合にコスト(払う保険料)がリターン(受け取る保険金)を超える損益分岐点は8年7ヶ月となります。
つまり8年7ヶ月の間に1度、入退院することがあればトントン、1回以上の入退院をした場合には備えておいて正解だったと言えますよね。
考え方は人それぞれですが僕としてはこの特約はコストが高いですから付帯させるメリットは薄いと感じます。
ですからこの特約はつけずに浮いた分を貯蓄に回すことでどんなアクシデントにも備えられる現金を確保するほうが賢明かと思います。
このように保険選びでは感情を優先させず、まずはコストとリターンをしっかり把握した上で必要かどうかを判断することがとても重要です。
保険は保険、貯蓄は貯蓄
医療保険に限らず、保険には大きく分けて「貯蓄型」と「掛け捨て型」の2種類があります。
それぞれの特徴をまとめました。
貯蓄型医療保険とは?
- 一定年数ごとに数万円受け取れるタイプ
- 解約の際に返戻金が受け取れるタイプ
- 一定年齢まで加入すれば払い込んだ保険料が戻ってくるタイプ
このような条件によって入院や手術をしなくても現金が受け取れるタイプの保険です。
掛け捨て型医療保険とは?
病気やケガをした場合に主契約(保障内容)に応じて給付金が支払われます。
掛け捨ての名の通り払い込んだ保険料が戻ってくることはありません。
つまり入院や手術をしない限りは1円も支払われることが無い保険です。

なんだか掛け捨てはもったいないんじゃないかな…
こう思われる方も多いかと思います。
ですが「貯蓄型」と「掛け捨て型」の保険料の内訳は下記のようになっています。

貯蓄型保険は保険分と貯蓄分を合算して支払っているだけなんですね。
ですから貯蓄型保険で受け取れる返戻金はご自身で払い込んだ貯蓄分が払い戻されているだけにすぎません。

損をしているわけではないから良いんじゃないかな…?
こう思われる方もおられるかと思います
ですが掛け捨て保険に加入し浮いた貯蓄部分を資産運用に回すことで返戻金以上のリターンを得られる可能性もあります。
そう考えると「貯蓄型保険」は機会損失の分「損」と言えるのではないかと思います。
もちろん資産運用では元本割れのリスクもありますが保険は保険、貯蓄は貯蓄と分けて考えることが重要です。
もし現在貯蓄型の保険に加入されている方は保険の見直しがおすすめです。
見直しが必要な医療保険に関してこちらにまとめていますので参考になるかと思います。
まとめ
今回は保険を選ぶ上でとても重要な大前提を3つのポイントに絞って解説しました。
保険は不確定な将来のことに備えるわけですから誰しも悩んでしまいますよね。
また自分や家族のこととなるとどうしても保障内容が過剰になってしまい、保険料が高額になってしまっている方が多いです。
そのため保険選びでは第三者の意見を取り入れることでご自身に最適な保障内容を見つけやすくなります。
なかなか保険が決められないという方は一度保険のプロに無料相談してみるのも1つの手かと思いますよ。
また絶対に医療保険選びで失敗したくない人の保険の選び方をこちらでまとめています。