「ある程度の貯金があれば医療保険は不要だ」という意見を最近よく耳にする方が多いのではないでしょうか?
そもそも保険とは「めったに起きないけれど起きた時に生活が破綻すること」に備えるためのモノですよね。
ですから病気やケガで長期入院や手術をした時に生活が破綻しないくらい貯金があればわざわざ保険で備える必要は無いとも言えます。
では一体どのくらいの貯金があれば医療保険が不要と言えるのか気になりますよね。
そこで今回は実際に長期入院や手術をした場合にかかる医療費からどのくらいの貯金があれば医療費が不要となるのか?をまとめました。
医療保険が不要になる貯金額

まずは結論から医療費が不要になる貯金額は最低100万円です。
100万円の貯金があれば医療費で破綻してしまうことはほとんどないと言えます。
ですが100万円あれば安心というわけではなく、他のアクシデントで資金が必要になることもありますから継続して貯蓄を続けることがとても重要です。
逆に現在100万円も貯金がないという方はとりあえず最低限の内容で医療保険に加入されるのがおすすめですよ。

最低限の医療保険ってどうやって選べば良いの?
という方は保険のプロに無料相談されるのがおすすめです。
専門用語なども噛み砕いてわかりやすく説明を受けることができますから保険選びの時間短縮にもなるかと思いますよ。
またそもそも医療保険がどんな保険なのかいまいちわからない…という方はこちらが参考になるかと思います。
実際にかかる医療費
では実際に長期入院をした場合にどのくらいの金額が必要なのかを確認してみましょう。
比較的、入院日数が長期化しやすい脳疾患はリハビリ入院も含めて最長入院日数が180日となりますので今回は180日もの長期入院をした場合にかかる金額を考えてみましょう。
また入院する方は30歳男性、年収400万円の会社員とします。
この場合にかかる費用を1ヶ月ごとにまとめました。
医療費 | 食事代 | 雑費 | 総額 | |
1ヶ月目 | 85,000円 | 41,400円 | 10,000円 | 136,400円 |
2ヶ月目 | 85,000円 | 41,400円 | 10,000円 | 136,400円 |
3ヶ月目 | 85,000円 | 41,400円 | 10,000円 | 136,400円 |
4ヶ月目 | 44,400円 | 41,400円 | 10,000円 | 95,800円 |
5ヶ月目 | 44,400円 | 41,400円 | 10,000円 | 95,800円 |
6ヶ月目 | 44,400円 | 41,400円 | 10,000円 | 95,800円 |
合計 | 388,200円 | 248,400円 | 60,000円 | 696,600円 |
病院での食事代や入院中の雑費などを含めても180日もの長期入院でかかる費用は約70万円ほどということがわかりました。
実際に180日も入院が長期化することはあまりありませんから100万円の貯金があれば大体の病気に対応することができると言えますね。

医療費が思っていたより安い気がする…
こう思われる方もおられるかと思います。
これはなぜかと言うと日本にはとても手厚い公的医療保険があり医療費で破綻することがないように何重にもセーフティーネットが張られているためなんですね。
まず、医療費に関しては高額療養費という制度がありますから年収400万円の方ですと1ヶ月にかかる医療費の上限は8〜9万円となります。
さらに高額療養費制度を12ヶ月以内に3回利用した場合は多数回該当といってさらに上限が引き下げられるんですね。
4ヶ月目から医療費負担が減っているのはそのためです。
180日もの長期入院をすると医療費がとても高額になると思っている方が多いですがそれは間違いで実際にはそこまでお金はかかりません。
さらに会社員の方が加入している公的医療保険である「健康保険」には傷病手当金という制度があります。
この制度は働けなくなった場合の収入を保障する制度で、連続して3日仕事を休んだ場合に4日目から給与の3分の2が1年6ヶ月もの期間保障されます。
そのため入院中で仕事ができない状態であっても収入が完全になくなってしまうということもありません。
このようにとても手厚い公的医療保険がありますから100万円ほどの貯金があれば医療費で破綻してしまう事はほとんど無いと言えますよね。
またこちらに入院した場合にかかるお金と減る収入に関してまとめています。
貯蓄100万円あっても医療保険が必要な場合
基本的には貯金100万円もあれば医療費で破綻することはありません。
ですが人によっては貯金100万円では少し心もとなく、医療保険の加入を検討したほうが良い場合もあります。
そんなパターンを3つまとめました。
- 会社員以外の方
- 入院中は個室が良い方
- 貯金を減らしたくない方
それぞれ詳しく解説します。
会社員以外の方
公的医療保険は会社員の方が加入する「健康保険」と会社員以外の方が加入する「国民健康保険」の2つに大別することができます。
この会社員以外の方が加入する国民健康保険、通称「国保」には傷病手当金がないんですね。
ですからもしも仕事ができなくなってしまった場合はその時点で収入がなくなってしまいますからとても大きなリスクですよね。
そのため国保に加入している方は収入保障の意味でも医療保険への加入がおすすめかと思います。
公的医療保険に関してはこちらにもっと詳しくまとめていますので参考になるかと思います。
入院中は個室が良い方
入院中は患者が6人ほど療養をしているいわゆる大部屋での入院となりますが、患者の希望で個室での療養も可能です。
個室での入院はプライバシーの確保もできますし、ストレスも少なくゆっくり療養に集中することができますよね。
ですがこの個室での療養は「差額ベッド代」という室料が発生しますがこれは公的医療保険の対象外ですから全額自己負担となります。
病院によって差額ベッド代は変わりますが大体1日あたり8千円〜1万円ほどかかる場合が多く長期入院となるとかなりの金額になってしまいますよね。
ですから入院した場合は必ず個室でなければ嫌だという方も医療保険の加入を検討されるのが良いと思います。
貯金を減らしたくない方
お金に色はありませんから貯蓄したお金は何にでも使うことができますよね。
老後の資金や子供の教育費、家や車の頭金などなど使いみちをあげるとキリがありません。
ですが医療費のために医療用の貯金をしているという方はごく少数でみなさん何かの目的へ向けて貯金をしていると思います。
そんな中、病気になってしまい貯めた貯蓄を切り崩すのはライフプランも狂いますし、病中にお金の心配をするのはとても大きなストレスになってしまいます。
ですが医療保険に加入しておけばとりあえずお金のことは考える必要がなくなりますから貯蓄を減らしたくない方は保険を検討されるのも良いかと思いますよ。
ここでは貯蓄100万円あっても医療保険が必要な3つの場合をまとめました。
これらに当てはまる方は必要最低限な内容で医療保険へ加入されるのがおすすめです。
医療保険の選び方がわからない…という方は保険のプロに無料相談するのも1つの手ですよ。
まとめ
今回はどのくらいの貯金があれば医療保険は不要なのか?に関してまとめました。
人それぞれ、環境や属性が違いますから一概に答えは出せませんが、100万円というのが1つの基準になるかと思います。
またこちらに医療保険、必要派の方の意見をまとめていますから保険の加入で悩んでいる方の参考になるかと思います。
医療保険、不要派の方の意見はこちらにまとめています。