高額療養費制度とは何か?わかりやすく簡単にまとめました。

保険

公的医療保険の保障の1つである「高額療養費制度」ですが聞いたことはあるけれどどんな保障なのかいまいちわからない…という方が多いのではないでしょうか?

高額療養費制度はとても複雑そうな制度に感じる方も多いかと思いますが、実際はそんなに複雑ではないんですね。

またこの制度を理解せずに医療保険選びをしてしまうと必要以上に手厚い保障を契約してしまい、毎月無駄な保険料を支払うことになってしまうかもしれません。

ですから医療保険選びをする前にこの高額療養費制度の保障内容を理解しておくことが重要です。

今回はそんな高額療養費制度について今初めて制度の存在を知ったという方でもわかるよう簡単にまとめました。

高額療養費制度とは?

高額療養費制度とは1ヶ月に負担する医療費に上限が定められており、その上限を超えて支払った医療費に関しては後日還付を受けることができる制度です。

これだけだとちょっとわかりづらいですよね。

かんたんに言うとどれだけ高額な医療費がかかったとしてもご自身が負担する医療費は一定の金額で済むということです。

この1ヶ月に自己負担する医療費の上限に関しては年収によって変わりますが、ほとんどの方は9万円が1ヶ月に負担する医療費の上限になっているんですね。

ですからがんや心疾患、脳血管疾患などの大病を患うととても高額な医療費がかかるとお考えの方も多いのですがこれは間違いでそこまで大きな自己負担はありません。

以下の区分表に年収別の上限額と負担する医療費の算出方法をまとめましたのでご自身がどこに該当するか確認してみましょう。

適用区分ひと月の上限額
年収約1,160万円〜252,600円+(医療費ー842,000)✕1%
年収約770〜約1,160万円167,400円+(医療費ー558,000)✕1%
年収約370〜約770万円80,100円+(医療費ー267,000)✕1%
〜年収約370万円57,600円
住民税非課税者35,400円

多くの方が上記の区分「ウ」に該当するかと思います。

では少し極端ですが「ウ」に該当する方が1ヶ月に100万円の医療費がかかってしまった場合を考えてみましょう。

まず医療費が100万円かかった場合の医療費の上限を上記の区分表の計算式で求めると以下のようになります。

80,100+(100万円ー267,000)✕1%=87,430円

つまり医療費が100万円かかった場合でもご自身が負担する医療費は87,430円で済むということですね。

ですからもしも医療費が100万円かかった場合はまず、病院の窓口で100万円の3割である30万円を支払います。

その後ご自身の加入する公的医療保険(会社員の方は協会けんぽ、会社員以外の方は国民健康保険)に高額療養費の申請をすることで約3ヶ月後に212,570円の還付を受けることができます。

あとから還付されるとはいえ、一時的に30万円も負担するのはキツイな…

こういった方もおられるかと思います。

このような場合に高額療養費制度にはさらに負担を低減させるしくみがあるんですね。

それらを以下にまとめました。

さらに負担を減らすしくみ

高額療養費制度にはさらに医療費負担を低減させるしくみが以下の3つあります。

医療費負担をさらに低減させるしくみ

・限度額適用認定証

・多数回該当

・世帯合算

漢字ばかりで一見むずかしそうに見えますがそこまでややこしくはありません。

それぞれ詳しく解説していきますね。

限度額適用認定証

高額療養費制度の弱点は上限を超えて支払った医療費の還付が約3ヶ月後になってしまうことです。

いくら一時的とはいえ数十万円の出費は家計に大きな負担となってしまいますし、中には捻出することが難しい場合もあるかと思います。

そのような場合は「限度額適用認定証」を使うことで高額な出費をさけることができるんですね。

この「限度額適用認定証」を医療機関の窓口で提示すると窓口での負担が自己負担限度額までとなります。

この制度を使うことで、一時的な高額出費を避けられますし、あとから還付の手続きをする手間もなくなりますから一石二鳥ですよね。

ですからあらかじめ医療費が高額になりそうなときは限度額適用認定証を事前に提示するのがおすすめですよ。

また限度額適用認定証は国民健康保険に加入している方はお住まいの役所へ健康保険に加入している方は協会けんぽに申請することで発行できます。

多数回該当

過去12ヶ月間で3回以上高額療養費制度が適用となった場合には4回目からさらに医療費の上限が引き下げられます。

この制度を「多数回該当」といい、長期間の治療が必要な大病を患ったときにとても心強い制度なんですね。

多数回該当での上限額も年収によって違いますが、ほとんどの方が44,400円が上限となります。

以下に多数回該当の上限額をまとめましたのでご自身がどこに該当するか確認してみましょう。

所得区分多数回該当の上限額
年収約1,160万円〜140,100円
年収約770〜約1,160万円93,000円
年収約370〜約770万円44,400円
〜年収約370万円44,400円
住民税非課税者24,600円

基本的に長期の療養が必要な大病に罹患すると収入が減ってしまうことが多いですがこの制度のおかげで破綻してしまうリスクをさげることができますよね。

世帯合算

同一世帯の複数の人が同月内に医療機関を受診した場合にはかかった医療費を合算して高額療養費制度をつかうことができます。

この制度を「世帯合算」といい、同一世帯の複数人が医療機関を利用した場合に家計の負担を軽減させるしくみです。

ですから一人では自己負担限度額に達しなかったとしても同月内に同一世帯の方が医療機関を利用していれば医療費の還付を受けられるかもしれません。

もしギリギリ自己負担限度額に達しない…という時は家族の方に確認してみるのがおすすめですよ。

またこの世帯合算には2つ条件があります。

1つは70歳未満の方は医療機関ごとに自己負担額が21,000円に満たないものは世帯合算の対象外

2つ目は世帯合算の対象者は同じ公的医療保険に加入している人のみです。

ですから夫婦共働きでそれぞれ別の公的医療保険に加入している場合は一緒に暮らしていたとしても世帯合算を利用することはできないんですね。

高額療養費制度の弱点

高額療養費制度は公的医療保険のなかでもとても心強く、手厚い保障であることがわかっていただけたかと思います。

ですがこの一見完璧にみえる高額療養費制度ですが気をつけなければいけないポイントがいくつかあります。

これを知らずに万が一のことがあったときに「こんなはずじゃなかった…」とならないためにも知っておいて損は無い知識かと思いますよ。

そんな高額療養費制度の落とし穴に関してはこちらにまとめています。

まとめ

今回は高額療養費制度に関してまとめました。

これだけ手厚い公的医療保険にすべての人が加入しているわけですから民間の医療保険は必要最低限の保障内容で加入するのが得策かと思います。

もし必要最低限の保障内容がわからないという方は保険のプロに無料相談されるのも1つの手かと思いますよ。

またある程度の貯蓄がある方は民間の医療保険に加入しないという選択もアリだと思います。

こちらにどのくらいの貯蓄があれば医療保険は不要か?をまとめていますから参考になるかと思います。

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