医療保険の加入を検討する上で重要なのが実際に入院した場合にかかる費用はどのくらいか?というところかと思います。
今まで入院したことが無いという方は何にどのくらいのお金がかかるか検討もつきませんよね。
またかかるお金と同じくらい減る収入について考えることも重要です。
実際にかかる金額と減る収入がわからない状態では正しい医療保険を選ぶことは困難と言えます。
そのため今回は入院した場合に発生する負担に関してわかりやすくまとめました。
入院するとかかるお金

入院するとかかるお金
・医療費
・食事代
・その他の雑費
入院した場合にかかる費用は大きくわけて上記の3つです。
年収などによってかかる費用は変わりますが、ほとんどの方は1ヶ月の負担は約14万円ほどとなることが多いです。
それではそれぞれの費用の内訳を見てみましょう。
医療費
この医療費には入院費や治療手術費、投薬や注射費まで医療にかかわる費用がすべて含まれています。
ですから入院した場合にかかる費用のほとんどは医療費ということになります。
入院するとこの医療費がとても高額になるとお考えの方もおられますがそれは間違いで、ほとんどの方が約9万円ほどになるんですね。
予想よりも医療費負担が低いと感じる方が多いのではないでしょうか?
なぜかというと日本は医療費で家計が破綻することがないように公的保険で何重にもセーフティーネットが用意されているためです。
病院の窓口で「保険証」を提示すると医療費の自己負担が3割で済みますが、これも公的保険のおかげです。
ですが3割負担でも長期入院などで医療費が高額になってしまう場合もあるかと思います。
そういった場合には公的保険の1つ「高額療養費制度」のおかげで1ヶ月(1日〜月末)のあいだに負担する医療費に上限が決められています。
この上限を超えた医療費に関しては後日還付されますからとても心強い制度と言えます。
この医療費の上限は年収によって変わりますが、ほとんどの方は約9万円ほどが上限になるんですね。
1つ注意するポイントとしては高額療養費制度は1日〜月末でかかった医療費に対して適用されますから、入院中に月をまたぐと2ヶ月分カウントされてしまいます。
公的保険に関してもう少し詳しく知りたい方はこちらが参考になるかと思います。
食事代
入院中の食事代は医療費とは別の請求となります。
食事代は全国一律で1食460円と決まっており、1日3食ですから1日あたりの食事代は1,380円です。
1ヶ月入院した場合は食事代だけで41,400円かかりますから大きな負担と言えますよね。
ですが入院をしていなくても食事代はかかるものですから、普段1日の食費が1,380円以上かかっているという方は入院することで負担が減るとも考えられます。
その他の雑費
入院したときの費用で注目されがちなのが医療費と食事代ですが実際に入院するとその他の細かい雑費が意外とかかります。
主にかかる雑費をまとめました。
・入院時の小物やタオル、衣類など
・病院設備利用料
入院時の小物やタオル、衣類など
病院はホテルではありませんから生活用品はご自身で準備をする必要があります。
入院日数によって必要なものは変わりますが歯ブラシやタオル、入院中の衣類や下着、イヤホンに耳栓など意外に準備するものは多いんですね。
家にあるもので間に合えば良いのですが足りないものを揃えると意外とまとまった出費になります。
病院設備利用料
病院内のテレビや冷蔵庫、洗濯機や乾燥機などを使うのには利用料がかかります。
ほとんどの病院は1,000円ほどでテレビカードを購入しテレビカードの残高で設備利用料を支払うシステムとなっています。
利用料は病院によって違いますが、長期入院ですと無視できない出費となります。
入院した時にかけるお金

入院した場合にはかかるお金とかけるお金の2つがあります。
ここでは入院した場合にご自身の希望でかけるお金に関してまとめました。
入院した場合にかけるお金
・差額ベッド代(個室代)
・先進医療費
差額ベッド代(個室代)
入院すると基本的に8人ほどの大部屋に入院することになります。
それぞれのベッド間はカーテンで仕切られていますがプライバシーが確保されているとは言えず、ストレスを感じる方も多いです。
そのような場合には大部屋ではなく、個室での療養を選択することができるんですね。
個室での療養はプライバシーも確保されており、治療に専念することができるのですが差額ベッド代という個室料を負担する必要があります。
差額ベッド代は病院によって違いますが平均で1日8,000円ほどの負担となります。
また差額ベッド代は公的保険の対象外ですから全額自己負担となり、長期入院ではかなり大きな出費となってしまいます。
先進医療費
先進医療とは厚生労働大臣が認めた医療技術で公的保険の対象とするかを検討している段階の治療方法です。
この先進医療は公的保険の対象外ですから先進医療を受けた場合の治療費は全額自己負担することとなります。
受ける治療によって金額は変わりますが、がんに罹患した場合の先進医療「重粒子線治療」や「陽子線治療」に関しては自己負担額が300万円ほどになってしまいます。
この金額が負担できる方は先進医療を受ける選択もできますが負担できないという方は残念ながら諦めるしかないんですね。
ですが民間の医療保険に加入し先進医療特約を付帯させることで先進医療でかかった技術料と同額の保障を受けることができます。
もしもの時の選択肢を増やしたいという方は医療保険の加入を検討しても良いかもしれませんね。
また医療保険の選び方や付帯させるべき特約がわからないという方は保険のプロに無料相談してみるのがおすすめですよ。
入院した場合に減る収入

入院した際にかかるお金に関してまとめましたが、実際に入院をすると普段通りに仕事をすることはできません。
短期の入院であればそこまで大きな影響はないかと思いますが、1ヶ月を超えるような長期入院となると収入も大きく変わってしまいますよね。
ですから入院した場合にかかるお金のことも大事ですが減る収入に関してもよく考える必要があります。
会社員の方の場合と会社員以外の方、それぞれでどのくらい収入が減るのかまとめました。
会社員の方
会社員の方であればまずは有給休暇が使えるか確認しましょう。
短期の入院であれば有給休暇で入院期間をまかなえるかもしれません。
もし有給休暇でもまかないきれないという場合は公的保険の保障を受けることができます。
会社員の方が加入している公的保険である「健康保険」は働けなくなってしまった場合にとても手厚い保障があるんですね。
それは「傷病手当金」という制度で連続して3日間仕事に就けなかった場合に4日目から給与の約3分の2が保障されます。
保障期間は最長で1年6ヶ月ですから長期入院した場合でも安心と言えますよね。
上記の制度を使うことで会社員の方が入院した場合に減る収入は現在の給与の3分の1ほどとなり、生活レベルを落とす必要はありますが家計が破綻することはほとんど無いと考えられます。
会社員以外の方
会社員以外の方が加入する公的保険「国民健康保険」には働けなくなってしまった場合の保障は一切ないんですね。
また有給休暇もありませんから長期入院で仕事に就けなかった場合には収入が完全になくなってしまいます。
収入がなくなっても数カ月の生活ができるだけの資金がある方はなんとかなりますが貯蓄があまり無い方は家計が破綻してしまいますよね。
ですから会社員以外の方は収入保障の意味でも民間の医療保険への加入を検討するのが良いかと思いますよ。
まとめ
今回は入院した際にかかるお金と減る収入に関してまとめました。
日本には医療費で家計が破綻することがないように何重にもセーフティーネットが張られています。
そのため会社員の方で100万円ほどの貯蓄がある方は医療保険の必要性は薄いと言えます。
ですが個人事業主の方やフリーランスの方は会社員の方に比べて保障が手薄ですから民間の医療保険で備えるのが良いかと思います。
またなぜ100万円の貯蓄があれば医療保険が不要と言えるのかに関してはこちらにまとめています。