「セルインメイ」5月に株を売れは本当か?S&P500で検証

資産運用

株式投資では様々なアノマリーがあります。

アノマリーとは理論的に説明はできないが経験的に観測できる規則性のことです。

簡単に言うと「なんでか分かんないけど大体こうなるよね」という経験則をアノマリーと言います。

そんなアノマリーでとても有名なのが「セルインメイ(株は5月に売れ)」です。

株式投資をされている方であれば聞いたことがあるかと思いますし、セルインメイを意識して投資しているという方も多いかと思います。

今回はそんな「セルインメイ」とは一体なんなのか?とセルインメイは正しいのか過去51年分のS&P500で検証してみました。

セルインメイ(Sell in May)とは?

そもそもセルインメイって一体なんなの?について解説します。

セルインメイはイギリスが発祥でその後米国の株式市場で広まったアノマリーですがSell in May(5月に株を売れ)には続きがあります。

全文は

「Sell in May, and go away. Don’t come back until St Leger day.」

約すと「5月に売って去れセントレジャーデーまで戻るな」です。

セントレジャーデーとはイギリスで有名な競馬「セントレジャーステークス」のことで開催は9月の第2土曜日です。

つまり「5月に株を売って9月までは相場に戻るな」ということですね。

このアノマリーの意味するところは6月から夏にかけての株価は軟調(下落相場)になることが多く5月の高値のうちに株を売却するのがベストタイミング。

年末にかけて株価は上昇することが多いので9月には相場に戻ろうということです。

要するに6月頭から8月末まではポジションを持たないで過ごすのが良いということですね。

なぜセルインメイ(5月に売れ)なのか?には様々な説があります。

  • 米国の税金の還付が1月末から5月にかけて行われ、5月までは株式市場に流入する資金が多いため
  • ヘッジファンドの決算が6月にあり、個人投資家の解約が増えることでポジション解消が集中するため
  • 夏の長期休暇中にポジションを持ちたくないと考える人が多く夏に向けて売りが増えるため
  • 年末の株価好調時に信用取引の買い残が増え精算期日の6ヶ月目に決済が集中するため
  • セルインメイのアノマリーが大きく広まったため

上記以外にも様々な説があります。

アノマリーですから正解はありませんが様々な原因で5月以降は株価が低迷するということのようです。

ですが果たしてそれは本当なんでしょうか?もし本当だとしたらセルインメイを意識して投資するのが得策ですよね。

そこで米国の株価指数S&P500で過去5 1年分の6月頭から8月末までの約3ヶ月間の騰落率を調べました。

セルインメイを「5月に株価が暴落するから暴落前に売れ」ということだと思っている方も多いですが、本来の意味とは違います。

セルインメイは本当か?S&P500で検証

米国の株価指数S&P500で過去51年分、6月頭から8月末までの約3ヶ月間の騰落率を終値ベースでまとめました。

6月頭(終値)8月末(終値)騰落率
1969年102.9395.52-7.19%
1970年77.8681.524.70%
1971年100.2199.03-1.17%
1972年109.70111.081.25%
1973年103.93104.250.30%
1974年89.1072.15-19.02%
1975年92.5886.88-6.15%
1976年99.85102.913.06%
1977年96.9396.77-0.16%
1978年97.35103.276.08%
1979年99.17109.3210.23%
1980年110.74122.3810.51%
1981年132.39122.77-7.26%
1982年111.97119.526.74%
1983年162.57164.391.11%
1984年153.22166.688.78%
1985年189.29188.62-0.35%
1986年244.97252.933.24%
1987年289.82329.8013.79%
1988年266.68261.53-1.93%
1989年321.95351.409.14%
1990年363.17322.42-11.22%
1991年388.04395.391.89%
1992年417.26413.97-0.78%
1993年453.79463.522.14%
1994年457.62475.493.90%
1995年533.49561.865.31%
1996年667.64652.00-2.34%
1997年846.28899.436.28%
1998年1090.96957.53-12.23%
1999年1294.251320.422.02%
2000年1448.931517.564.73%
2001年1260.561133.72-10.06
2002年1040.30915.84-11.96%
2003年967.071007.734.20%
2004年1121.261104.33-1.50%
2005年1202.081220.281.51%
2006年1285.571303.781.41%
2007年1536.331474.12-4.04%
2008年1385.711282.70-7.43%
2009年942.651020.678.27%
2010年1070.661048.93-2.02%
2011年1314.091218.89-7.24%
2012年1278.011406.6810.06%
2013年1640.541632.94-0.46%
2014年1924.932003.364.07%
2015年2111.601972.18-6.60%
2016年2099.382170.933.40%
2017年2430.022471.681.71%
2018年2734.572901.486.10%
2019年2744.382937.047.02%

過去51年分のS&P500での6月頭から8月末までの検証結果

下落した年(51年中)
21回(41%)

上昇した年(51年中)
30回(59%)

下落した年の平均下落率
-5.76%

上昇した年の平均上昇率
5.09%

6月頭から8月末までのS&P500の過去51年分の検証では上昇相場のほうが多いという結果でした。

セルインメイはとても有名なアノマリーですから5月以降は下落相場のほうが多いと予想していましたが意外にも上昇した年が多いことに驚きました。

ですがよく考えるとS&P500は過去60年以上に渡ってずっと右肩上がりを続けているインデックスですから上昇が多くなるのは当たり前といえば当たり前なのかもしれませんね。

また平均下落率と平均上昇率もほとんど差はありませんでした。

そのため過去の結果から言うとS&P500のインデックス投資であればセルインメイを意識する必要はありません。

個別株だとまた違った結果になるかもしれませんね。

さいごに

過去の結果としてはS&P500のインデックス投資であればセルインメイを意識する必要は無しです。

個別株や別のインデックスではセルインメイを意識した投資が有効な可能性もあります。

ですがS&P500のインデックス投資であればドルコスト平均法でバイアンドホールドの王道スタイルで投資を行うのが最適解ということですね。

またこちらで現在の暴落相場でのS&P500の値動きをまとめていますので現在S&P500のインデックス投資を始めようか迷っている方の参考になるかと思います。

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